「働くことが嫌いだ」と悩んでいる人は多いでしょう。
そんななかで、
仕事が楽しくて、毎日会社に行くのがワクワクします!
という人を見かけたりすると、自分に対してとてもネガティブな気持ちになってしまいますよね……
時間とは有限なものであり、人生は誰もが一度きりしかありません。
そして、その貴重な人生のなかで、働くことには多くの時間を費やします。
つまり、「働いている時間が嫌い」ということは、気持ちの面でも社会面においても、大きな損失といえるでしょう。
でも、仕事が嫌いだという気持ちは、克服することができます。
単にいまの会社が嫌いなだけなら、転職という選択肢だってあるのです。
この記事では、働くのが嫌いだと悩んでいる方に向けて、仕事を嫌いだと感じてしまう理由と克服する方法をご紹介しています。
イヤイヤ働く日々に限界を迎える前に、ぜひ参考にしてみてください。
働くことが嫌いだとどうなる?
働くことが嫌いな人は、以下の3つの面から、マイナスの影響を受ける可能性が高まります。
人生における大半の時間を無駄にしてしまう
仕事が人生のなかで大きな時間を占めていることは、ほとんどの方が認識しているかもしれません。
でも、生涯の総労働時間がどれくらいになるか、具体的に計算したことはありますか?
一般的な働き方だったとしても、
- 直接の労働時間:8時間
- 残業や通勤などの時間:2時間
上記のように、1日に10時間くらいは仕事に費やしており、生涯労働時間は105,350時間にもなります。
1日10時間 × 年間245日(休日120日) × 43年(22歳~65歳) = 105,350時間(約12年)
計算式では65歳を定年としておりますが、いまや70歳定年の議論もされており、働く時間は今後さらに延びることになるかもしれません。
実際には、
残業や通勤にもっと時間を要している…
休日はもっと少ないし…
という方も多いでしょう。
いずれにしても、いまの年齢から70歳定年までの残り勤務年数を割り出し、あなたの人生におけるこれからの労働時間を計算してみてください。
働くことが嫌いだと、これから先のたくさんの時間を、無駄に過ごすことになるのです。
会社での評価が得られにくい
働くことが嫌いだという人は、会社からも低評価にされがちです。
仕事の成果が上がりにくいので、上司や周囲からも、
○○さんってやる気を感じないよね…
このような渋い目で見られることになるでしょう。
やがて窓際族に追いやられたり、自主退社を迫られたりする可能性もあります。
会社に行くこと自体が嫌になり退職してしまえば、家族や世間からも、冷たい視線を浴びることにもなりかねません。
ネガティブなレッテルを貼られてしまうと、労働市場で評価を得ることが難しくなり、安い給料でしか働けなくなってしまいます。
長い人生において、大きな損失をすることになるのです。
ストレス発散のために散財しがちになる
嫌いなことに多くの時間を費やすので、毎日を憂鬱に過ごすことになります。
当然ながら、ストレスは溜まる一方でしょう。
ですから、ストレスを発散させるために、せっかく稼いだお金をムダに使いがちです。
- 会社帰りや休日の衝動買い
- 娯楽やギャンブルにのめり込む
- 同僚と酒場で会社の悪口大会をする
上記などに散在すれば、一時的に気分はスカッとするかもしれませんが、ストレス原因の根本解決にはなりません。
本来は生活に充てるべきお金を使ってしまい、現金がなくなれば「カード払い」でストレス発散を続けることに…
気が付けば生活が困窮して、ますます追い込まれていくことになりかねません。
「働くことが嫌い」と感じてしまう理由とは?
誰しも最初から、「働くことが嫌い」というわけではありません。
嫌いになるのには何らかのきっかけがあり、徐々に働くことへの情熱が薄れてしまい、仕事嫌いになっていくのです。
仕事嫌いになるのには、以下のようなことが、おもな理由として挙げられます。
職場の人間関係がよくない
職場の人間関係が原因で、
上司とのソリが合わない…
同僚とうまく付き合えない…
上記のような悩みを抱えてしまい、仕事が嫌いになるパターンです。
平日はずっと顔を合わす職場の人たちですから、何かしらのトラブルがあれば仕事は円滑に進みません。
険悪ムードになって、孤立してしまう場合もあるでしょう。
スキルだけではなく、協調性も求められる現代社会において、すべての人が器用に対応できるわけではないのです。
嫌がらせ(ハラスメント)を受けている
職場で嫌がらせ(ハラスメント)を受けていれば、仕事が嫌いになるのは当然でしょう。
- パワハラ(パワーハラスメント):
業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える行為 - セクハラ(セクシャルハラスメント):
相手方の意に反する性的言動、性的な嫌がらせ - マタハラ(マタニティハラスメント):
妊娠・出産育休などを理由とする解雇などの不利益な取扱い
上記のような言葉をよく耳にしますが、他にも挙げればキリがないほどのハラスメントが、職場では発生しているのです。
仕事内容は嫌いじゃないけど、あいつがいるから、会社には行きたくない…
こんな思いで引きこもるのは、若者ばかりではありません。
肉体的・精神的な苦痛が原因で仕事嫌いになる人が、近年ではとても増えているのです。
待遇が悪すぎる
ブラック企業と呼ばれる会社が、いまだに日本社会のなかに根付いており、
- 給料が安すぎる
- 労働時間が長すぎる
- 残業代が出ない
上記のような待遇のひどい会社が、数多く存在しています。
働いている人たちが、みんな死んだような目をしているんだよな…
退職する人が多すぎて、残業時間が減る気配がない…
こんなふうに、精神的・肉体的に追い込まれることで、働くこと自体が嫌になってしまうのです。
責任が重すぎる
プレッシャーをバネにして、頑張れる人ばかりではありません。
別に出世したくないんだけど…
という気持ちなのに、勤続年数で役職者に押し上げられた人にとっては、責任は精神的負担となるでしょう。
また、職位に見合わないほどの責任を、無理やり押し付けられている人もいます。
経験やスキルでまかなえる範囲であれば、成果に結びつけることができるかもしれません。
しかし、もともと仕事に対して「苦手意識」を持つ人にとっては、
失敗したらどうしよう…
というプレッシャーが重くのしかかって、仕事に背を向けたくなってしまうのです。
周囲のモチベーションが低すぎる
入社当初はヤル気があったのに、
周りのモチベーションが低すぎるんだよな…
と周囲に影響されて、少しずつ仕事嫌いな人間に変わってしまうケースもあります。
業績や経営がきびしい会社ほど、「負の人材」が多いもの。
彼らはハツラツと働く人間の足を、つねに引っ張り続けるのです……
何年も同じ職場で仕事をしていると、やがて自身も負のオーラに染まってしまい、
ミイラ取りがミイラになる
というマイナスの連鎖が止まりません。
公正な評価が得られない
フェアとは思えない評価をされてしまったり、評価基準があいまいだったりすると、仕事への情熱も冷めてしまうもの。
あんなに業績に貢献したのに、評価も給料もまったく上がらないなんて…
こんな気持ちでは、働くことが嫌いになっても仕方ありませんよね。
「お金がすべてではない」とはいうものの、評価と給料が直結している以上は、
なんであいつのほうが、自分より評価が高いんだろう?
このような思いがあれば、モチベーションが下がるのも無理はないでしょう。
外資系企業であれば、公正な評価を可能とする「ジョブ・ディスクリプション(職務定義書)」というものがあります。
ジョブ・ディスクリプション
「ジョブ・ディスクリプション(job description)」とは、職務の内容を詳しく記述した文書のこと。日本語では職務記述書と訳されています。
日本の企業にはこれに相当するものがない場合がほとんどですが、欧米の企業では、日々の業務はもちろん、採用をするにも評価をするにもなくてはならない、というきわめて重要なものです。
ジョブ・ディスクリプションに記載される代表的な項目は、職務のポジション名、目的、責任、内容と範囲、求められるスキルや技能、資格など。特に職務内容と範囲については、どのような業務をどのように、どの範囲まで行うかといったところまで詳細に記述されます。
出典:人事ポータルサイト【HRpro】用語集
しかし日本の企業では、上司の機嫌や「上司に気に入られるか、気に入られないか」で、自身の評価が決まってしまうことが多々あるのです。
仕事に対してのフィードバックがない
日頃から仕事に対して、フィードバックが全然なかったり、
この仕事は○○もやっておくべきだったね…
こんなふうに、ネガティブ・フィードバックばかりしてくる上司の元では、仕事に対するヤル気も削がれてしまいます。
きちんとフィードバックがされなければ、
自分の仕事は会社に貢献できているのだろうか…
と仕事に多くの時間を費やすことに疑問を持ちますし、自己肯定感も薄れてきます。
そのうち辞めたくもなるでしょう。
業務内容が自分に合っていない、好きな仕事ではない
いま働いている仕事について、
- 希望した企業に入社できたものの、好きな業務に就けていない
- 教育費や住宅ローンの支払いのために、好きでもない仕事を渋々こなしている
こういった感情をもっていると、仕事を好きになるのは難しいかもしれません。
とくにバブル崩壊後の影響をモロに受けた、就職氷河期世代の方であれば、
自分の「好き」で仕事を選ぶなんて、できる状況じゃなかったよ…
という方も多いでしょう。
長らく続く日本経済の停滞で、賃金すらも上がらない状況であれば、働くことが嫌いになっても仕方がありません。
仕事に存在する”理不尽なペナルティ”も悩みどころ
悩みどころとして、仕事で出会うペナルティ(罰)の存在も挙げられます。
- 得意先からのクレーム
- 上司や別部署からのクレーム
- お客さんからのクレーム
パワハラは完全に不条理なものですが、仕事におけるペナルティは、ちょっと配慮不足や行き違いによって発生するものです。
また、組織で働く以上は、
自分はきちんとやったんだけどな…
という状況にもかかわらず、誰かのミスでペナルティを受けることもあるでしょう。
世の中には、いまだに、
ペナルティ(罰)を与えるからこそ、改善につながる
感情的に指摘したほうが、相手には響くんだよ!
このように思い込んでいる人が多くいます。
職場で遭遇するこういった理不尽な仕打ちが、ますます仕事嫌いを加速させてゆくのです。
仕事嫌いを克服するための7つの対処法
人生を有意義にするためにも、仕事嫌いは克服するべきですし、ほとんどの場合それが可能です。
ここでは、仕事嫌いを解消する対処法として、7つのアプローチをご紹介します。
「仕事が嫌いな自分」を受け入れる
仕事嫌いな人は自己嫌悪におちいり、ネガティブになっていく傾向があります。
その歯止めをかけるには、“ありのままの自分”を受け入れてしまうことです。
仕事嫌いな自分を楽観的に捉えることができれば、意外にも苦痛ではなくなります。
仕事が好きな人に対しても、
劣等感を抱くことがなくなった気がする…
とネガティブ感情がなくなるので、毎日を健やかな気持ちで過ごすことができるでしょう。
仕事で得られるメリットを明確にする
いまの仕事を長期で続けた場合に、
お金以外にどのようなメリットが得られるのか?
ということについて明確にしてみましょう。
例えば、以下ようなメリットがあるのかもしれません。
- 特定分野の知識やスキルが得られる
- 格を取るための実務経験となる
- 将来に役立つ人脈づくりができる
- モノやサービスなど自分の仕事が“形”として残せる
- 誰かに認めてもらうことができる
- 他者への貢献につながり感謝される
メリットがたくさんあるほど、
働くことが人生にプラスをもたらすことも多いんだな…
と再認識できるはずです。
余計なことは考えすぎず、メリットのためにまっすぐ働きましょう。
メンタルを鍛える
仕事をするうえで、
責任やプレッシャーからくる、精神的なストレス
上記に直面する場面は多いでしょう。
ストレスは避けて通れませんが、受け止め方次第で、いくらでも軽減することができます。
屈強なメンタルは、次の手段で手にすることができます。ぜひ実践してみてください。
- スポーツやトレーニング でフィジカル・メンタルを強化する
- 読書やセミナーなど自己啓発に励む
- 機械的な精神状態を意識して、気持ちの感度を下げる。(鈍感になる)
- あえて過酷な環境に身を置き、強制的にメンタルを鍛える
仕事のスキルを磨く
人生において成功している人ほど、
ということを意識しています。
スキルを日々磨き上げることで、職場でのあなたの価値は上がり、
最近は期待に応えて、頑張ってくれているね!
こんな感じで、周りの扱いが変わってくるでしょう。
仕事をするなかで、
なんだか褒められることが増えたような気がする…
と肯定感を覚えることが多くなり、仕事が充実してくるはずです。
いまさら遅いなどと思わずに、毎日少しずつでもスキルを身に付けましょう。
苦手な業務を周囲に依頼する
苦手な業務にストレスを感じるくらいなら、いっそ周囲に依頼してみませんか?
仕事はみなで協力してやるものですし、イヤイヤこなしても生産性は上がりません。
空いた時間に得意な分野で返せば、“Win-Winの関係”が構築できます。
かしこく働くためにも、“適材適所”の考え方を意識しましょう。
仕事以外にやりがいを見つける
ワークライフバランスと言われるように、仕事とプライベートの比率は重要です。
毎日が働き詰めでは、気持ちの余裕や心の豊かさを失ってしまいます。
- 仕事帰りに趣味やスポーツを楽しむ
- 旅行の計画を立てる
上記のような、プライベートで楽しめる要素をどんどん増やしていきましょう。
余暇のために働くことは、決して悪いことではありません。
メリハリのある暮らしが、仕事にもハリを与えてくれます。
働く目的を再認識する
長年仕事をしていると、
自分はいったい何のために働いているのかな…
こんなふうに、よくわからなくなってくるものです。
忙しい仕事も満員電車に揺られる日々も、
自分の人生において、なぜそれを続けているのか?
ということを、もういちど再確認してみましょう。
原点回帰することで、仕事への活力が湧いてくるかもしれません。
また、人生における大切なものを再認識することで、
別に仕事を好きと思わなくていいのかも…
このような気づきで気持ちが楽になって、イヤイヤ働く気持ちが薄れていく可能性もあります。
転職することで、「仕事嫌い」が克服できるケースもある
あらゆる手を尽くしても気持ちが変わらない場合でも、転職をきっかけに仕事嫌いが克服できる場合があります。
転職活動を通じて、自分の強みや弱みと向き合うことで、仕事に対する向き合い方を再認識できるからです。
根本的に仕事が合っていない場合もある
仕事はトレーニングや慣れによって、ある程度までは何とかなるものですが、根本的な向き不向きは存在します。
たとえば、営業職をやっていても、
人と話すのはどうにも苦手で、手汗とかすごいんだよな…
このように感じながら仕事をしている人よりも、
やっぱり営業って楽しいです。人と話すのが好きですから!
という人のほうが、営業という仕事を好きになれるに決まっています。
いまの仕事が自分にとって適職なのか、今いちど考えてみましょう。
転職することで、新しい価値観を手に入れよう
働き方も多様化している昨今では、仕事より生活中心のキャリアプランを考えることも、珍しいことではありません。
「ライフワークバランス」という言葉が一般的になったように、
人生のなかで仕事をどの位置に置くのか?
ということは、自分で選べる時代になりました。
じつは筆者自身も、
家族との生活をもっと大切にしたい!
このような思いが強かったので、40代で転職を経験しています。
いまの仕事に満足感がないのなら、筆者が実践した「副業ありきの転職」を検討してみてはどうでしょうか?
転職をすることで、
- 仕事と生活の比重を変えられる
- 副業でやりがいを追求できる
このような「新しい価値観」を手に入れることができますよ。
転職活動は計画的に進めよう
焦って転職活動を進めたことで、結局好きになれない仕事に就いてしまっては、問題の解決になりません。
ある程度の年齢となると、転職にはとくに勇気がいりますが、
上記のようなサービスを活用することで、リスクを最小限に抑えることができます。
長年同じ会社で働いていると、どうしても視野が狭くなりがちです。
しかし、世の中には、やりがいのある楽しい仕事も存在しています。
在職しながら転職活動を進めるなど、「計画的な行動」であなたの新天地を探してみましょう。
まとめ:働くこと自体が嫌いなのか、会社が嫌いなのかを見極めよう
今回は、働くことが嫌いだと悩む人に向けて、おもな理由と対処法について詳しくお話ししました。
人生における生涯労働時間は、10万時間以上もあります。
この大きな時間をイヤイヤ働くことは、人生の損失でしかありません。
まずは、自分自身の価値観を再確認して、
- 自分は「働くこと自体が嫌い」なのか?
- 単に「いまの会社が嫌い」なだけなのか?
上記について見極めましょう。
働くこと自体が嫌いなのであれば、今回ご紹介した7つの対処法を、できることから実践してみましょう。
一方で、いまの会社が嫌いなだけと分かったのなら、転職に向けて早々に準備を進める必要があります。
自分がどちらなのか判断がつかないときは、気持ちと時間に余裕がない証拠です。
正常な判断ができるように、まとまった休養を取って、リラックスして頭を整理する時間を設けましょう。
人生の意味は働くことだけではありません。
”あなたらしく生きる”ためにも、できることから始めてみてくださいね。